ちょうどいい生き方

ドキュメンタリーパンクバンドのGt/Voによるドキュメンタリー

流されて生きる

自分の意思を持って、主体的に動くのが良しとされるけど、

受動的に生きるのも、それほど悪くはないと思うことがある。

 

私の父の話であるが、

酪農家の次男として生まれ、将来はどうしようかと言うときに、

父の兄、つまり私の伯父が、

「記者になるため東京の大学に行く」ということになり、

「じゃあ家業はお前が継げ」と、父が酪農家を継ぐ方向になったという。

 

しかし、そのうち伯父が大学を中退し、実家に戻り家業を継ぐ、ということになったらしい。

すると、「お前は東京の親戚のところで、大工でもやれ」と言われ、

父は上京し、大工になったという。

 

そこから今日まで、父は大工として生きてきた。

大工になれ、と言われたときに、葛藤があったのかは知らないが、

今では大工で得た技術で、木工細工の小物を作って、

ハンドメイド系の店が集まるイベントに出店したりしている。

 

流れに逆らうのも人生ならば、

流れに身を委ねてみるのも人生。

 

時折、私自身、周りに流されてしまってるな、と思うことがあるが、

いつも父の話を思い出しては、それでもいいか、と思うようにしている。